
機材の購入や設備の準備にはまとまった資金が必要になるため、国や自治体の支援制度を活用できないかと調べる方は少なくありません。
行政が提供している支援制度には様々な種類があり、働き方や農業への取り組み方によって利用できるものが異なります。
本記事では、兼業で農業を行う方が利用できる主な支援制度について、具体的な金額や期間、そして申請にあたって注意すべき条件を詳しく解説します。
この記事をお読みいただくことで、ご自身の状況に適した支援制度を見つけ、農業への第一歩を現実的なものにするための知識が得られます。
兼業農家が受け取れる補助金の目安と支援規模

代表的な新規就農向けの支援制度を利用した場合、基本となる支給額は月12.5万円(年間最大150万円)です。
この資金は、制度の種類や状況によって最長2年から3年にわたって交付されます。
一方で、トラクターなどの機械購入やビニールハウスといった施設導入を目的とした補助金も用意されています。
こちらの場合は毎月の定額給付ではなく、かかった費用の1/2や3/10といった割合で補助され、上限額が1,500万円に設定されているような規模の大きな制度も存在します。
兼業農家であっても、求められる要件をしっかりと満たすことで、これらの支援制度を活用することは十分に可能です。
なぜ制度によって支給金額や期間が異なるのか?

国や自治体は、農業の担い手を増やし、地域の農業を維持・発展させるために様々な角度から支援を行っています。
大きく分けると、以下の3つの目的に分類されます。
研修や就農初期の生活を支えるための資金
農業を始めて間もない頃は、収入が安定せず生活費に不安を抱える方が少なくありません。そのため、生活を支える目的として、毎月決まった金額(月12.5万円)を一定期間支給する形式が取られています。
ただし、この支援を受けるためには、「農業で生計を立てていく」という強い意志と計画性が求められます。
そのため、原則として就農時の年齢が50歳未満であることや、前年の世帯所得が一定額(例えば600万円)以下であることなど、細かな所得要件や年齢要件が設定されています。
また、兼業農家の場合は、農業に割く時間が一定の基準を満たす必要があるため、事前の綿密な計画づくりが欠かせません。
機械や施設の導入負担を軽減するための補助金
農業経営を本格化させるためには、高額な農機具や設備の導入が不可欠となる場面があります。こうした設備投資の負担を減らし、生産性を高めることを目的とした制度では、購入費用の一定割合(1/2や3/10など)を補助する仕組みが採用されています。
こちらは「認定農業者」や「認定新規就農者」といった、国や自治体から中長期的な経営計画を認められた経営者であることが主な要件となります。
地域の先輩農家さんたちも、事業規模を拡大する際にこうした制度をうまく活用されています。
兼業農家が申請しやすい自治体独自の小規模支援
国の大型制度は要件が厳しく、これから兼業で小規模に始めたい方にとってはハードルが高いと感じられる可能性があります。そこで、多くの市町村が地域の実情に合わせ、少額から使いやすい独自の小規模補助金を用意しています。
これらは「資材の購入」や「作業の委託」など、日常的な農作業の負担軽減を目的としており、兼業農家の方でも比較的申請しやすいのが特徴です。
兼業農家が活用を検討できる3つの支援制度

ご自身の経営スタイルや段階に合わせて、どの制度が適しているかを確認してみてください。
1. 就農準備資金・経営開始資金(年最大150万円)
農林水産省が提供している代表的な新規就農者向けの支援制度です。2025年から2026年の最新動向においても、月12.5万円(年間150万円)が支給される枠組みとして案内されています。
それぞれの具体的な内容は以下の通りです。
- 就農準備資金:農業大学校や先進農家での研修期間中に、最長2年間支給されます。
- 経営開始資金:独立して農業を始めた後、経営が安定するまでの期間として最長3年間支給されます。
これらの制度は将来的な農業での自立を目的としているため、本業の収入が高すぎる場合や、農業にかける時間が極端に少ない場合は対象外となる可能性があります。
申請の際は、必ず最新の要件を一次情報で確認することが重要です。
2. 担い手確保・経営強化支援事業(上限1,500万円)
こちらは農業機械の購入や農業用施設の整備にかかる費用を支援する制度です。機械の購入費用の1/2(上限は個人で1,500万円、法人で3,000万円)が補助されるなど、非常に手厚い支援内容となっています。
また、構造転換対策として利用する場合は、購入で3/10、リースを利用する場合は3/7定額など、導入方法によって補助率が変わる仕組みです。
この制度を利用するためには、「認定農業者」などの認定を受けることや、地域の農業計画(地域計画)に位置づけられることなど、一定の経営規模と地域への貢献が求められます。
3. 自治体独自の小規模農業支援
兼業農家にとって最も現実的で利用しやすいのが、各市町村が独自に設けている補助金です。国の大規模な支援策とは異なり、地域農業の維持を目的として柔軟な条件が設定されています。
例えば、以下のような支援内容が確認されています。
- 農業用資材の購入費:費用の1/3以内(上限30万円)
- 小型機械や施設の導入費:費用の1/3以内(上限150万円)
- 農作業の委託費:費用の1/2以内(上限30万円)
年度によって予算や内容が変更されることが多いため、お住まいの自治体ホームページを定期的に確認することを推奨します。
補助金についての要点まとめ

主なポイントは以下の通りです。
- 新規就農を支える資金は月12.5万円(年間150万円)が基本で、最長2〜3年受け取れます。
- 機械や施設導入の補助は、費用の1/2や3/10など割合で支給され、上限は1,500万円規模になることもあります。
- 兼業農家には、上限30万円〜150万円程度の自治体独自の小規模支援が使いやすくおすすめです。
まずは自治体の農業担当窓口へ相談してみましょう
補助金の申請には、事業計画書の作成や要件の確認など、多くの手続きが必要です。特に兼業農家の場合、本業との兼ね合いで農業に充てられる時間が限られているため、ご自身だけで要件を満たせるかどうかを判断するのは難しいと思われます。
インターネット上の情報は年度によって古くなっている可能性があるため、まずはご自身が農業を行う市町村の農政担当窓口や、地域の農業協同組合(JA)の担当者さんへ相談してみることをおすすめします。
専門の窓口で現在の働き方や今後の計画を率直に伝えることで、あなたの状況に最も適した支援制度を案内してもらえるはずです。
制度を有効に活用し、無理のない範囲から充実した農業ライフへの一歩を踏み出してみてください。